霧ヶ峰、八島ヶ原湿原の生き物と花

霧ヶ峰には八島ヶ原、車山、踊り場と3つの高層湿原があります。去年は車山に行きましたので今年は八島ヶ原湿原に行ってきました。

今年は天候が夏らしくなく、この日、8月18日も車山スカイパークホテルで迎えた朝はかなりの雨でした。このホテルは絶景が売り物の一つなのですが、雲の中のため景色は真っ白でした。
8月に入り関東では雨の日連続記録を更新中で、今日はダメかなと思っていましたが、10時半になると徐々にやんで来ました。これは行けるかもと八島湿原に向かって30分程走り到着する頃には幸運なことに雨が上がりました。

 

八島が原湿原の池

池が、湿原の雰囲気を醸し出してます。

八島ヶ池
八島ヶ原湿原最大の池で駐車場から湿原に向かって一番最初の池です。まだ霧が垂れ込めていてほんとに霧ヶ峰でした。

 

湿原で一番小さい池鬼ヶ泉水です。湿原を左周りルートで回ると現れます。この頃には霧が晴れました。

 

鬼ヶ泉水の隣の鎌ヶ池です。手前にはシダのような群落がありました。

 

湿原の南側にも小さな池がありました。案内の地図には載っていないので連日の雨により出現した池なのかもしれません。

 

湿原の生い立ち

この湿原はおよそ1万2千年が経過したとされ、本州では最も古いものです。

高層湿原というのは高いところにある湿原と思っていましたが、植物が枯れても低温のため腐植土とならずに堆積し、泥炭化し、植物が上へ上へと生長して全体が水面よりも高く盛り上がったものを言うそうです。泥炭の暑さは最大で8.1mにもなります。世界的に貴重な高層湿原で天然記念物に指定されています。

湿原で出会った生き物達

ノビタキという小鳥です。主に夏に高原で見かける鳥です。手持ちなので少しピントが合っていません。

 

アサギマダラという蝶です。平地では見たことがありませんが、夏は標高の高い山地に生息しています。
この蝶は旅する蝶として有名です。春に南から北へ移動し、秋に南へ戻ります。その移動距離は驚きですが最長2000キロにも及びます。本州から南大東島や遠くは台湾までへも移動が確認されています。なんと海を超えるのはもちろん、パスポートもなしで国境をも超えています。
飛んでる間に鳥などに捕食されることはほとんどありません。それは体内にヒヨドリバナの蜜に含まれるアルカロイドが蓄積されてるからです。

海を渡るときは台風を活用したり、雨が降る前に一気に移動してしまいます。
なぜ海を渡るのか、どうやって気象を読むのか、その生態はまだ謎が多いそうです。

 

良く見かけるタテハ蝶かと思いましたが、調べたところヒョウモンチョウです。やはり高地に生息しています。ノアザミに止まっています。

 

ワレモコウにとまるトンボ、アキアカネです。この時期は赤くありません。

綺麗な赤い花のようなのが咲いている苔の前で休んでいるトンボです。調べたところコアカミゴケという地衣類でした。地衣類は藻類と共生している菌類です。

 


湿原のバッタです。どちらも名前はわかりません。湿原バッタですね。

 

湿原の花

マツムシソウです。

カラマツソウ。可憐な花ですね。

コバギボウシ。

オミナエシ。

フシグロセンノウ。

ウド。あの食べられるウドです。山菜としては若芽の葉や先端、つぼみを天ぷらにして食します。スーパーで売っているのはウドをもやしのように暗所で白く育てたものです。こんな花が咲くとは知りませんでした。

イブキボウフウ。

メタカラコウ。

ツリガネニンジン。

アカバナシモツケ。

ノリウツギ。

コオニユリ。


エゾカワラナデシコ。

 

なぜこんなに花の名前がわかるのかと言うと、実は花の隣に花名札が立ててあるのです。途中で出会いましたが係の方が2名、札を持って歩いていました。おかげで全部花の名前がわかります。ご苦労様です。ここで紹介した花以外にも、まだまだたくさんの花が咲いていました。

湿原の入り口にある花暦看板です。

八島ヶ原湿原遊歩道をゆっくり一周して2時間弱でしたが、見所多く、湿原の雰囲気抜群でとても気に入った場所となりました。

目次へ