前回はゲンジボタルにチャレンジしましたが、今回はヒメボタルにチャレンジです。ヒメボタルは光の点滅間隔が短くきらきらしています。写真ではゲンジボタルの光はヒョロっとした線ですが、ヒメボタルは丸い点になります。
出会いは少なかったのですが、黄金色のきらめきが漆黒の中で点滅し夢の世界のようでした。
生まれて初めてのヒメボタル撮影です。ピンぼけなのですが、かえって光りが丸く大きくなりきれいに見えます。これは30秒で撮影したので光を数えてみたところ点滅間隔は1秒弱です。
近いのは目の前3mくらいを左から右へ飛んで行きました。真ん中のはほとんど動いていないのでメスだったのかな?
ヒメボタルについて
体調は7mmでゲンジ、ヘイケぼたるよりとても小さいのです。雌は飛べなく、飛翔しているのは全部雄です。幼虫は水の中ではなく陸地で育ちます。マイマイの小さな種類やキセルガイという陸生貝を食べて育ちます。
西日本では平地で、東日本は高地に生息しているようです。関東では生息地は少なく貴重なほたるです。調べたところ嬉しいことに千葉県にも生息地がありました。内浦山県民の森に生息していて、他のところでは標高が高いところにしかいませんが、ここでは150mくらいのところに住んでいるそうです。
ヒメボタルの生息地
通常はホタル保護のため生息地は公にせず、自分でなんとか探し出すしかないのですが、ここは堂々と公表されています。しかもヒメボタルなのです!
このヒメボタルの鑑賞会が企画されていて、先週初め、6月24日の鑑賞会に申し込みましたが残念ながらいっぱいになっていました。
そこで今週、内浦山県民の森管理事務所に電話して聞いたところ、先週位がピークですがまだ見られるのではないかということでした。時間は遅く夜中の方がよいとのこと、千葉県のヒメボタルはずいぶんと夜更かしなのです。
・舗装された林道沿いで見られる
・この道路は夜間は蛍保護のため7月まで通行止めになっている
・ヤマビル等に張り付かれないよう林のなかには入らない
・明るいうちに事前に下見をしてから行く
・明かりは極力少なくする
・数年前の大雪で激減したが、その後徐々に戻ってきている
との情報を頂き、いざ行くことにしました。
下見
我が家から1時間半ほどの時間で午後6時30分現地到着、駐車場にはキャンプの方たちの車がたくさん止まっていました。トイレも完備されています。
早速下見に出かけました。キャンプ場横を抜け20分ほど歩きました。少し道路脇が広くなっているところで見られるのかなと目星をつけながら25分ほど登り引き返すことにしました。結構薄暗くなってきましたが蝉の声や鳥の声がまだ聞こえています。誰にも会わず少し心細い思いです。
キョンとの遭遇
下りはじめて2番目のコーナーを抜けたところで左の山側から何かが飛び出してきてびっくりしました。鹿を小さくしたようなキョンという小動物で2頭が右の谷へ走って行きます。そのうちの一頭が立ち止まりこちらの様子をうかがっています。結構近く5mくらいの距離でした。その後、谷側へザザザッと逃げて行ったのですが、少し人間に慣れているようでした。
その時カメラを持っていたのですが、動揺して撮影するのをすっかり忘れてしましました。後から考えると、良いシャッターチャンスだったのにとても惜しいことをしました。帰りに一人だけカメラマンとすれ違いました。
ヒメホタル撮影
時間がまだあるので車で5分くらい下りたところのコンビニに行ったりして時間をつぶし22時前頃、いざ出発しました。第二キャンプ場を過ぎてからは真っ暗で目が慣れるまで大変です。目をこらしながら歩いていてもホタルのホの字もいません。
今日は空振りかとあきらめかけていたところ左手、谷側の木の間にきらりと光る光を発見。キラッ、キラッと明瞭に点滅しています。でも三脚を準備しているうちに光らなくなりました。はじめてヒメボタルを見ることができました。
これは期待できるかと思うも、下見の先端ポイントまで行ってもほん数匹、数秒しか見ることができず撮影するまでには至りません。人っ子一人いませんでしたが、これはホタルがほとんどいないので誰も来ないのだろうと考え、あきらめて帰ることにしました。
ところが帰る途中からついにヒメボタルが飛び始めました。一度に多くて三匹くらいですが、あちらでもこちらでも飛んでいます。ほんとに夜更かしホタルなのです。黄金色の点滅は神秘的です。広いところで飛び回るのではなく木々の間を飛んでいました。時には道路上までやって来ます。
カメラを構えたところになかなか飛んでくれないのですが、なんとか数匹は撮影することができました。撮影していると下の方から懐中電灯が近づいてきました。撮影を中断して待っているとキャンプしている方で生まれて初めてホタルを見に来たとのとのこと。しばし二人でホタルを鑑賞し、下山しました。11時半に駐車場に到着。帰りのことを考え早めに下りたのですが、もう少し居ればもっと飛んでいたのかなとも思います。
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